前回、記事の最後に「まだ見ぬ神秘の世界が私たちの住む下に広がっている」とちょっとだけお話をしましたが、人が神秘の世界に触れる事ができた場所が存在するんです。
鉱物好きにはもちろん、そうでない人でも、その美しさは息を飲むほどです!
神秘の世界はメキシコで発見!
そんな神秘的な場所があるのは、メキシコのチワワから1時間程の所にあるナイカ鉱山。鉛と銀で有名な産地で豊富な鉱床を持っている魅力たっぷりの鉱山で発見されました。
2000年4月のある日の事、鉱夫であるサンチェス兄弟は新しいトンネルを掘削していました。地上から約1.5kmのところに現れたのは、想像をはるかに超えた巨大なクリスタルで埋め尽くされた神秘的な空間。どれほどの驚きだったことか・・・・想像するだけでもドキドキしますね!!
そこはマグマ熱によって気温は45度、湿度は100%近くもある場所で、特殊な装備を着けても20分しか居る事が許されない過酷な世界でした。
後に「クリスタルの洞窟」と名付けられ、他にも小さな結晶で形成された同様の洞窟が見つかり、「刀の洞窟」「ロウソクの洞窟」「女王の目」と名付けられています。
深い眠りから覚めた巨大クリスタルの洞窟!
出典: http://www.koniec-swiata.org
長い眠りから覚めた「クリスタルの洞窟」には、一番大きな結晶で長さ11m、直径4m、重さが約55トンもあり、洞窟内には推定170本もの結晶が存在します。
これほどまでに大きく成長する事ができた秘密は、50万年以上もの間、鉱物にとって最高の環境が維持されてきたことが分かります。地下のマグマ熱を厚い岩盤が断熱材の役割を果たし、豊富な鉱物を含んだ水が洞窟を満たす事ができたことにより、硫酸カルシウムの分子が規則正しく堆積し、美しいセレナイト(透石膏)が形成されました。
更に驚く事にセレナイトの結晶の内部から、5万年以上前の微生物が発見されたというのです!しかも彼らは死んでおらず休眠状態のままでした。その後、スペシャリストの手によって甦ることになった微生物達は、その大半が今まで観測された事がない生物達だったようです。
私たちが住む地球には、まだまだこうした驚くべき世界が広がっています!!
神様の世界を覗き見したような、不思議な温もりを感じます。